唐津地区戦没者追悼式

20日(木)唐津市民会館ホールで、唐津市唐津地区戦没者追悼式が執り行われ参加しました。

追悼文を添付します。
本日、平成29年度、唐津市唐津地区戦没者追悼式が執り行われるに当たり、謹んで、戦没者の方々の御霊に追悼のことばを捧げます。
 先の大戦において、皆様は、唐津を代表する白砂青松の虹の松原をはじめとした、自然豊かなこの地を後にし、苛烈を極めた戦いの中、遠く離れた異郷の地において、祖国を思い、郷土に残されたご家族を案じつつ、尊い命を捧げられました。
 無事なご帰還を果たせなかった皆様のご無念、また、残されたご遺族の消え去ることのない深い悲しみを思うとき、今なお、万感の思いが胸に迫ってまいります。
 わが国の今日の繁栄と郷土の発展は、皆様の尊い犠牲の上に築かれているものであるとともに、ご遺族の皆様の、幾多の苦難を乗り越えてこられた、たゆまぬ努力の賜ものであることを、私たちは、決して忘れるものではありません。
 先の大戦から72年がたった今なお、昨今の日本を取り巻く安全保障環境では、北朝鮮による度重なるミサイルの発射実験、中国による尖閣諸島周辺海空域での領海・領空侵犯等不安定要因がより顕在化してきており、恒久平和への道のりが依然として厳しい状況であることは、誠に残念でなりません。
 そのような中、昨年の沖縄全戦没者追悼式において、地元の小学6年生が次のような詩を朗読されました。
「夏の蝉の鳴き声は、戦没者たちの魂のように、悲しみを訴えているということを、耳にしたような気がする。戦争で帰らぬ人となった人の魂が、蝉にやどりついているのだろうか。しかし私は思う。戦没者の悲しみを鳴き叫ぶ蝉の声ではないと。平和を願い鳴き続けている蝉の声だと。大きな空に向かって飛び、平和の素晴らしさ、尊さを、私達に知らせているのだと。人は空に手をのばし、希望を込めた平和の願いを蝉とともに叫ぼう。」
この詩は、戦時中に海軍に属していた祖父から、戦争の悲惨さや平和の大切さを聞いて作られました。
この詩を想うとき、世界平和を願うとともに、二度と戦争の惨禍を繰り返さないために、戦争の悲惨さを風化させることのないよう、戦争を知らない次の世代へと、語り継ぎ続けることの重要さを再認識させるものであると感じております。
私たちは、世界の恒久平和の確立と希望に満ち溢れ、健康で心豊かな社会を永遠に築いていくために、世界のすべての人々が互いに手をとり、助けあい、支えあう、そのような利他の心を胸に刻み、より一層、育み深めながら、一段の努力をしてまいらなければならないと考えております。
 唐津市議会といたしましても、ふるさと唐津のさらなる発展とご遺族が心豊かに暮らせる社会創生のため、これからさらに、一つひとつの課題の解決に全力を挙げて、重責を全うしなければならないと、思いを新たにしております。
 このことが、故郷を愛する英霊の御霊に報いる私たちの役割であり、今後とも、郷土の発展に、皆様のご加護を賜りますようお願い申しあげます。
 ここに、戦没者の方々ののご冥福と、ご遺族の皆様のご健勝を心から祈念いたしまして、追悼のことばといたします。
平成29年4月20日